2012年にタイ王国に進出しました。縫製事業を立ち上げたいという目的でした。「Kimono Thailand」という看板でした。
その開所式に京都から親分(故河瀬満三郎氏)が駆け付けてくれました。”祝儀やー”と渡されたのは、100万円入りの祝儀袋で、こんなのVシネマでしか見たことないですよーと伝えると、いつもの笑顔だった会長を思い出します。
この方のことを悪く言う人もいますが、商売としては性根のある方でした。和装業界にとって、とても貴重な人を亡くしたと思います。
ある日、前職でもたくさん取り扱った商品があり、その商品が市場に安く出てしまい、”すまん、すべて買い戻しさせて欲しい”という勇気のある申し出がありました。そこで、その商品をお求めになっていた方全員にご連絡させていただいたところ、お申し出は数件のみでした。そういう性根のある話をする方は、和装業界にそうそういらっしゃらないと思います。
和装業界は、何もしないことがいいこと、そういう風習の中に、親分は憤りを感じぶちまけていたひとりでした。あー10年前に亡くなった親分、とても懐かしいです。葬儀委員長を頼むといって亡くなり、十分には出来なかったと思いますが、精一杯努めさせていただきました。
葬儀委員長の時の私です。当時51歳(若いなー)